11.10.2018

モラスハラスメントで星の王子様は死んだ

星の王子様はモラハラで殺された!?

こんな衝撃的なアングルで語られた本があります。
星の王子様といえば、長い間、子供への良書として取り上げられることも多く、小学校や中学校では読んでおくべき一冊に入れられることも多いでしょう。それがまさかこの本の主人公である星の王子様はモラルハラスメントの被害者あるとは衝撃です。
モラルハラスメントとは

星の王子様はモラルハラスメントで殺された

安富歩氏の著書「誰が星の王子様は殺したのかーモラルハラスメントの罠ー」という本をご存知でしょうか?この物語の裏にある隠された支配・被支配の関係性という切り口で語られた本です。


誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠

未読の方へ 星の王子様のあらすじ

物語は操縦士である「ぼく」がある星に不時着するところから始まります。不時着したのはサハラ砂漠で、とても小さい星でした。その星にはひとりの少年が住んでいて、彼が「星の王子様」です。「ぼく」は星の王子様と出会い、会話をしたことで、星の王子様は別の惑星からやってきたことがわかります。

王子様のいた惑星には王子様以外に、3つの火山と、巨大なバオバブ、それから一輪のバラがありました。星の王子様はそのバラをとても大切に育てていたのですが、このバラは自分が美しいことを鼻にかけたようなところがあって、王子に謎めいた発言をしたりして苦しめていました。

ある日バラと喧嘩をしてしまい、星の王子様は他の星へと旅をすることになります。旅に出る王子様にバラは「あなたが好きだった」といい「知ってもらえなかったのは自分が悪かった」というようなことをいいます。

王子様は7つの星を旅します。最後に訪れた星は地球で、そこで何本も咲き誇るバラをみます。自分の星ではバラは1本だけで貴重だと思っていたのに、こんなにたくさんあるのか、当たり前のものを一つ持っているだけに過ぎなかったことに気づきます。

そこへキツネが現れて、王子様は遊ばない?と誘いますが、キツネは仲良くならないと遊べないと言います。今は大勢のキツネのうちのひとりとしか映っていないけど、仲良くなれば特別な存在になる、と。最後にキツネは「かんじんなことは目に見えない」という「秘密」を教えてくれます。そうして最終的に今の惑星にたどりつき「ぼく」と出会いました。

「ぼく」は飛行機を修理して帰ろうとしますが、星の王子様はヘビに噛まれることで、身体を置いて、自分がいた小惑星に変えることができると信じており、実際にヘビに噛まれていなくなりました。

バラが仕掛けるモラルハラスメント


安富氏の見立てでは、王子さまはバラを愛していたのですという一見美しい話の裏には、バラによるモラハラによって王子に自責の念を抱かせるように支配し、最終的に王子はその自責の念で自殺してしまった。このような秘密が隠されていたということです。

バラは美しいだけではなく、自分が美しいということを鼻にかけていて「そんな美しいわたしにどうして水をくれないの?」というようなことを言って王子を苦しめます。王子が旅立つときには「私はバカだった」と言って、王子に罪悪感を与えます。

詳しいことは、安富氏の記事を読んでいただきたいのですが、私はこの解釈がもっとも多いのではないかと思います。

王子さまはどうして最後に、蛇に噛まれることでしか帰れないのでしょうか?
プロの心理士の池内氏も、同じように星の王子さまの物語から、


依存の母子関係、トラウマ、アタッチメントの問題、ダブルバインドなど、 他にも盛り込みどころ満載。最近、また注目されはじめた「毒親」も同じ構造。
と述べています。
星の王子さまとモラハラ(トラウマ)


また、こちらのPianqueさんというブロガーの方も、なかなか深くて鋭い洞察を書かれていました。やや中立のように感じました。

安富歩「誰が星の王子さまを殺したのか」に見る、問題の普遍化の困難さ



精神的な支配は「支配されてしまった方が幸せ」という感情が出てくることがあります。悲しいけど支配されていることで、自分は幸福だと思い込ませることもあるかもしれません。

もし、サンテクジュペリがこの話を通じて、ほんとうに人々に愛というものの大切さを伝えたかったのなら、なぜ最後に空をみあげて「王子さまが悲しんでいたら」と書いたのだろうかと思います。



相手に罪悪感を与えるモラルハラスメント

星の王子様がモラルハラスメントによって自責の念を抱き、それによって自殺に追い込まれてしまったという安富氏の見解には、反対意見もあるかもしれません。真相のほどは、物語を読んだ方ひとりひとりがご自身で感じていただいたものが正解だと思います。

わたしは、子供の頃に星の王子様を読んで「何がいいたいのかよくわからない本」と思いました。正直に言うと、なぜこの本がそんなに世界中で読まれているのかも未だにわかりません。この物語の裏側に横たわる「うっすらとした不安感」「星の王子様は決して幸せそうに見えない」「バラやキツネの不気味さ」というのを感じていました。

なので、安富氏の見解にはかなり納得する部分も多かったです。ぜひ、みなさんも機会があれば星の王子様の原文、そして安富氏の著書も読んでみてください。

モラルハラスメントとは







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