11.17.2018

トラウマ(PTSD)とは 言葉の暴力もトラウマになる

トラウマという言葉を時々聞くと思いますが、正しい理解をしてこそ、正しい治療ができますので、今回はトラウマについて理解を深めていただけるような記事にします。

人間、誰しも生きていればショックなことに遭遇したり、悲しいこと辛いことがあります。その時はとても心がつらく塞ぎ込んでしまうこともありますが、時間が経てば次第に心はだんだんと元気になります。これはトラウマとはなりません。しかし、心に受けた傷がとても大きく深く、心がそれを受け入れがたい状態になり生活に支障をきたすようになればトラウマとなります。

目には見えない心の傷

元々は災害や事故、暴力、戦争などに巻き込まれたり、巻き込まれる人を目撃することで精神的な衝撃(心的外傷)その影響が後々後遺症のように長く起こることをPTSD (Post Traumatic Stress Disorder)外傷後ストレス障害と呼ぶようになりました。このような戦争や事故、事件に加え、いじめや虐待、DV、性的虐待、各種ハラスメントでもトラウマ体験となります。

言葉の暴力でもトラウマになる

事件や事故、戦争でなくても言葉の暴力がトラウマになることもあります。子ども時代に言葉の暴力を繰り返し受けてしまうと、慢性的に心に傷を負いトラウマとなります。物理的な暴力でなくても、言葉による暴力は、力での暴力と同じぐらい、時にはそれ以上の衝撃を与えます。

トラウマの特徴

トラウマ場面のフラッシュバック

心に大きなストレスを追った記憶が、後になって突然ありありと思い出されます。苦痛や不安な気持ちがまるで今起こっているかのように感じます。寝ている時に夢として現れることもあります。

トラウマのきっかけとなった記憶が思い出せない

トラウマのきっかけとなった事件や事故、災害や虐待などを思い出そうとしても思い出せない、あるいは、思い出そうとすると頭がぼーっとしたり、頭痛がする場合もあります。

トラウマ反応

トラウマとなった出来事に近しいことがあると、強い不安に襲われたり、手足が冷たくなったり、震え、動機など身体に強い反応が現れます。

子供を否定する言葉もトラウマになる可能性があります。

「お前なんか産まない方がよかった」
「お前なんか捨ててやる」

このような子供の存在を否定する言葉は暴力です。子供時代は誰しもが親の保護がないと生きていけないわけですから、その保護者から「捨ててやる」というような言葉は恐怖そのものであり、生命の危機ですらあります。親にとってはイライラの八つ当たりかもしれませんが、子供にとっては忘れることのできない心の傷になるのです。


トラウマの詳しい説明は、以下をどうぞ。



トラウマは我慢せずに専門家に相談

トラウマは自分で症状を軽くすることが難しいです。最近では、トラウマとなった出来事を思い出さなくても治療ができるようになりました。自分で我慢せず、専門家に頼って安全に治療をしてください。

ラルフの体験

ラルフは、時々背中が凍りついて、手足が冷えて、強い不安感に襲われるトラウマ反応で苦しんだことがあります。今でも、トラウマとなった出来事に近しいことが起こると、背中が凍りつき、苦しくなります。しかし、これがトラウマ反応であるということの理解と、そのような反応が起こったらとにかく落ちてついて、長引くようなら信頼している心理士に行くということで、少しずつですがトラウマ反応が和らいできました。トラウマ反応は、体が「危険だよ」と教えてくれている反応ではあるのですが、反応する必要のないところで出ているというものです。きちんと理解して、正しく治療することで和らぎますので、諦めずに治療をおすすめします。

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