1.05.2019

親が自己愛性パーソナリティ障害では?と思ったら

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)というキーワードは、毒親だけに限らず、職場、夫婦間、恋人間など、あらゆる人間関係の問題で出てくるようになりました。そして、この問題は16人にひとり、いや10人にひとりと言われるほどありふれた問題であり、多くの人間関係において問題を生み出しています。

以前、毒親には自己愛性人格障害が多いという記事を書きました。実際に、毒親の多くは子供をコントロールしたり、逆にまったく無関心と親という義務を放棄し自分自身の満足のためだけに子供を利用することが多いです。自己愛性パーソナリティ障害の明確な線引きというのはないですが、こちらの記事を参考にして多く当てはまる場合は注意が必要です。

→ 毒親に多い自己愛性人格障害



自分の親が自己愛性パーソナリティ障害なのではないか?と疑ったときにどのように接すれば良いか、いくつかのポイントをまとめました。

自分で治そうとしないこと

自己愛性パーソナリティ障害は専門家による治療が必要です。自分の親が自己愛性パーソナリティ障害の疑いがあるからといって、それを言葉で指摘したり、相手を治そうとしてもまったく無駄になる可能性が高いです。むしろ、相手を逆上させたりして余計なストレスを抱えてしまうことになります。

どうして自己愛性パーソナリティ障害になったのか

サイコパスは先天的なものと言われていますが、自己愛性パーソナリティ障害は後天的な障害と言われています。では、自己愛性パーソナリティ障害の特徴が見られる親は、どうしてそのような問題を抱えることになったのでしょうか?

親の生い立ちを知っていますか?親のその親、つまりあなたの祖母、祖父と親の関係はどうですか?自己愛性パーソナリティ障害は、このサイトでも何度か指摘しているように、心の底では大きな劣等感、自己嫌悪を抱えています。つまり本人は「自分は特別扱いされるはずだ」「特別な特権や才能がある」と思い込んでいますが、実際にはそのようなことはありません。その大きなギャップが葛藤となり自己嫌悪となっています。そのような歪んだ自己愛を形成してしまうには何らかの理由や原因があります。親も毒親に育てられているケースも多いのです。

親にもこのような問題を抱えるだけの事情があったのだということを同情する必要はありませんが、想像するだけでも相手を冷静にみることができるのではないでしょうか。

理由を追求しすぎないこと

親にも自己愛性パーソナリティ障害になるほどの何らかの事情や理由があると指摘しましたが、ここの理由を追求しすぎる必要はありません。それに、あなたと祖父、祖母の関係が良好でも、親と祖父母の関係は友好でない場合もあります。親がどのような幼少期をおくったのかある程度理解することは、この障害についての理解を深める上で有効ですが、あまり追求しすぎても意味はありませんので、ほどほどのところで結構です。親にも色々な事情があったのだなと、毒親の問題を冷静に見ることが目的です。

他の家族に相談できるかどうかは状況次第

自己愛性パーソナリティ障害は、鬱やパニック障害のように自ら進んで精神科や心療内科を訪れることはありません。なので、親が自ら治療に向かうということは期待できません。稀に鬱など別の問題で治療を開始した場合に、自己愛性パーソナリティ障害ということが医師によって診断され治療が可能になることがありますが、これは腕の立つ医師か心理士でないと見抜くことは難しいでしょう。

家族の他のメンバーに、自己愛性パーソナリティ障害について相談するのは、家族によります。例えば、両親のどちらかが自己愛性パーソナリティ障害が疑わしい場合でも、夫婦間で問題を起こしたくないという理由で、その問題を認めない場合もあります。兄弟や姉妹への相談も、自分だけが毒親の被害にあっているという状態もあります。なので、家族の他のメンバーに相談できるかどうかは、それぞれの家庭環境によって判断してください。家族の他のメンバーへの相談は絶対に必要なことではありません。無理をしないでください。

自分の大事なことは事後報告でいい

あなたが成人している場合、進学、就職、引っ越し、恋人関係、結婚など、人生においての重要なことは親に相談する必要はありません。事故報告というのが有効な対処方法です。

毒親からの被害が多い人は、親の顔色を見てしまうことがくせになっています。親が自分の決断を否定したり、親の言いなりになってきたことが多いので、自分の選択に自信がもてないこともあります。そして、ついつい親に相談してしまい、結局親の言いなりになってしまうことがおおいのです。毒親からの呪縛を解くために、相談相手は親以外を選びましょう。そして、親へ伝えなければいけないことは事後報告で構いません。もうあなたは大人です。事後報告で毒親から非難されたり、否定されることもあると思いますが、聞き流すコツを掴んでください。たとえば、長い時間話さないとか、メールで言うなどです。

自己愛性パーソナリティ障害者と言い争ってはいけない

毒親が自己愛性パーソナリティ障害の場合、あらゆる方法であなたを利用、コントロールしようとしてきます。暴言を吐いたり、あなたの最も嫌がる言い方を巧みに使用してきます。このような暴言を言われると誰でもカッとなります。しかし、熱くなって言い返すのは自己愛性パーソナリティ障害者の思う壺です。言い争うことで毒親があなたに理解を示したことがありましたか?言い争って、お互いが最終的に納得できたことがありましたか?

自己愛性パーソナリティ障害者は、相手を打ち負かすまで手を緩めません。どんなに正論で戦っても議論をすり替え、あなたの人格を否定しボロボロにします。なので、言い争うことは時間とエネルギーの無駄でしかありません。言い争いになりそうになったら、その場から離れることが1番の有効方法です。

できるだけ接触機会を減らす

自己愛性パーソナリティ障害者との対処法は、とにかくこれにつきます。相手は事故中心的でずる賢いです。話も自慢話が多く、長く会話をすると疲れ切ってしまうでしょう。なので、できるだけ接触機会を減らしてください。他人ならまだいいですが、親ともなると厄介ですが、できることとできないことをはっきりさせて、無理して何かをしようと思わないでください。「親不孝者」などと耳に痛いことを言ってくることもありますが、スルーするしかありませんし、そのような暴言を吐く機会を与えないほど接触機会を減らすように考えることも大切です。

友好的な関係を結ぶことはできるのか

これは大変に難しい問題ですが、自己愛性パーソナリティ障害を持つ人は、心の中に葛藤を抱えており、安心感を感じていません。彼らからすると、彼らの周りは自分を認めてくれない人だらけに囲まれており、自分で自分を愛せていません。このような人たちに、安全で安心な場を与えてあげられると、本人たちは穏やかになることがあります。しかしこれは、彼らの要求を聞いてあげると言うことではありません。

彼らと関わらなければいけない場合は、できるだけ穏やかな気持ちで、笑顔で接します。あならが不機嫌だったり疲れていると、相手は「疲れているのかな?」という健全な発想をせずに「自分と会っているのにその態度はなんだ」と歪んだ自己愛で攻撃してくる可能性がありますので、あなたのコンディションがいい時に接することです。




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