1.07.2019

転職を繰り返す自己愛性人格障害者


今回は、毒親の自己愛性パーソナリティ障害とはテーマが違いますが、このような相手を利用する人たちの毒牙にかからないように、社会人の自己愛性パーソナリティ障害の行動例をあげてみたいと思います。

はじめに言っておきたいのですが、転職の回数が多いからと言って決してその人になんらかの障害や問題あるというわけでは決してありません。昨今、転職しながらキャリアをあげることは珍しくありませんが、自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)には以下のような点で転職を繰り返す傾向にある人がいます。

・自分はもっと認められるべきだと、不満を抱える。
・上記のような態度なので、上司や同僚とうまくいかない。
・自分はもっと有能だと言う割には実績は乏しい。

このような理由から、次々と職場を変えて行く、あるいは変えざるを得ないという人がいます。




自己愛性人格障害特徴 ①
異常に自分の評価を気にする

ビジネスパーソンにとって、同僚や上司からの評価をまったく気にしない人はいませんが、自己愛性人格障害者は異常なほどに周囲からの評価を気にします。例えば、メールのミスタイポを誰かに指摘された程度で(ミスタイポは誰にでもある些細なミスです)指摘した人のことを憎んだり、あるいは醜い言い訳をします。

「○○さんが褒めていたよ」と伝えたりすると「他に何か言ってなかったか?」「○○さん以外はどう言っている?」などしつこく聞いてきます。また「クライアントに褒められた」「上司の○○さんに認められている」などの自慢話も多いです。自分の評価に関わることならどんな仕事よりも率先して行うのが特徴です。

自己愛性人格障害特徴②
肩書きにこだわる

彼らにとって肩書きは大事です。人よりも優位に立ちたい、自分は他の誰よりも優秀であるし、自分が重要なポジションに値する人間だということを思い込んでいるので肩書きには異常にこだわります。ここで特徴なのは、実績が伴っていないのにもかかわらず、大げさな肩書きを好むというところにあります。例えば、大したプロジェクトに関わった訳でもないのに「プロジェクトディレクター」など自分が他の人間を指揮しているということを匂わしたりします。

望み通りの肩書きを得ることができなかった場合、自分の上司は無能だ、この会社は何もわかっていないなど自分の実績を振り返ることなく不満を溜め、会社や上司を批判します。

自己愛性人格障害特徴③

自分のためになる同僚とは付きあう

いい評判を広めてくれる人、自分の言いなりになる人が彼らのお好みの同僚になります。自慢話ばかり聞かされるのは誰でもうんざりしますが、立場が後輩だったりすると自慢話に付き合ってくれる人もいます。また、自己愛性人格障害者には口が達者な人が多いですから、一見すると魅力的に映ることもあります。しかしそれは、彼らにとって自己愛を満たしてくれる犠牲者を嗅ぎ分けるためのパフォーマンスです。

彼らの自慢話に付き合わない、高く評価してくれない人たちは自己愛性人格障害者にとって付き合う価値はありません。欺瞞を見抜く人は彼らとって怖い相手になります。

上司など、自分の直接的な評価者へは上手に取り入って自分をアピールします。他の同僚をあからさまに貶す場合もありますが、他の同僚を敢えて褒めることで自分の人間的な素晴らしさを強調することもあります。しかし、他の同僚を褒めておきながらもこの行動は自分のためでしかないので、同僚を手伝ったりすることはありません。


自己愛性人格障害特徴④
一旦敵に回ると、徹底的に攻撃する

自己愛性人格障害者の気に入らないことをする同僚や上司は徹底的に攻撃されます。例えば、仕事上で意見に賛同しなかった、ミスを指摘した、彼らよりも高い評価を得たなど、自己愛を満たせなかった出来事があると、嫉妬に狂い恨みます。明からさまに無視をしたり、他の同僚に悪評を広めたりなど陰湿なやり方も厭わないのが特徴です。

ビジネスは当然ですが常に様々な立場の多くの人が関わります。自分の思い通りに行かないことも多いです。しかし、自己愛性人格障害者の目的はビジネスを成功させることではなく、自己愛をいかに満たすかということが目的なので、一緒に仕事をする相手はとても疲れます。

自己愛性人格障害特徴⑤
高く評価されないと会社のせいにする

すべての自己愛人格障害者に共通する訳ではありませんが、このような人たちと仕事をするのは周りの人にとって毒なので、次第に人が離れていきます。すると当然出世するということはなくなるので、自己愛を満たすことはできません。このような状況に陥ると「この会社はダメだ」「自分はこんなにも貢献しているのに」と不平不満を述べ「もっと高く評価されるべきだ」と転職します。

逆に、自己愛を満たしてくれる環境を作った者は、自分のポジションにしがみつき長い間会社に居座るということもあります。このような場合は健全に部下が育たなくなるので、いずれにしてもいつかは限界を迎えます。しかし、今でこそブラック企業が批判され、コンプライアンスの意識が高まっていますが、少し前はパワハラ、セクハラが横行している会社は今よりもありましたから、そのまま毒上司となって居座り続けてしまっている人もいますので注意が必要です。


自己愛性人格障害の傾向を持つ人がオフィスにいるのは大変しんどいですが、16人にひとりいると言われているほどですから、避けて通るのも難しいのが現状です。それでは、どのように対処すればいいか、以下いくつかのコツをご紹介します。

深く付き合わない

とにかくこれが一番です。彼らの自慢話も真面目に聞く必要はありません。あくまでここは職場であるという意識をしっかりもって、自慢話もほどほどに聞きつつも割り切ってしまうことです。

自己愛性人格障害の傾向があるかもしれないと思ったら仕事以外の積極的な交流は控えるべきです。ランチや飲み会もどうしても同席しないといけないという時以外は個人的に誘わないこと。もし誘われても、忙しいなど正当な理由で断ることです。とにかく、彼らの自己愛を満たす犠牲者になってはいけません。

人の噂話をしない、聞かない


自己愛性人格障害の人とは人の噂話をしてはいけません。彼らが同僚や上司の噂話、批判意見などを言及することもあると思いますが、こういった時も否定も肯定もせずその場を離れることです。もし、一緒になって誰かの噂をしても、別のタイミングでは「あなたが噂を広めた」などと平気で嘘をついたりします。これが自己愛性人格障害の恐ろしさです。平気で嘘もつきますし、自分の自己愛を守るためなら他人を売ってもなんの罪悪感もありません。

出たがりなので、そのまま出させてやる

彼らは目立つことが好きです。ビジネスシーンでセミナーに登壇する、大きなミーティングで発表をするなど、わかりやすく人から注目されることに敏感に反応します。目立ちたがり屋の言動や行動にイライラすることもあるかもしれませんが、要望通り出させてやるのも手です。自己愛性人格障害者は自分で思っているよりも実績や能力が伴わないことが多くあります。なので、多くの人から注目されるようなことは本人は気持ちいいですが、結果的に周りからの評価は得られません。

化けの皮は剥がれる

人は馬鹿ではありません。仕事では本音と建前を使い分けるのは当然です。自己愛性人格障害の自慢話や嘘をニコニコと聞いてあげているようにみえて、心の中では「この人とは深く付き合わない方がいい」と見抜いているひとも実は多いのです。彼らがいくら自己愛を満たそうとしてもいつかは化けの皮は剥がれます。大事なのは、彼らの被害者にならないことです。




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