11.11.2018

モラルハラスメントとは

モラルハラスメントとは、被害者に外傷が残る、肉体的で直接的な暴力とは違い、モラルハラスメントは言葉や態度などで嫌がらせをすることです。精神的暴力、心理的暴力とも言われます。


モラルハラスメントは物理的に傷をつけるわけではないので、周りから見ても気がつきにくく事態が悪化することがあるので注意が必要です。また、モラルハラスメントという言葉は比較的最近になって日本では認知されたので、加害者も被害者もこれがハラスメント行為だということに気がつかず、長期間に渡ってハラスメントが行われることがあり、大変深刻なケースに発展することも多くあります。

毒親からのモラルハラスメント

モラルハラスメントは、夫婦間やオフィスでも行われることが多いものです。ここでは、毒親と子供との関係性において起きやすいモラルハラスメントについて記載しています。

子供の失敗を責め続ける

子供は失敗するものです。失敗をし学び、そこから成長をするのであって、親はそれを見守りながらも時には叱ることももちろん必要です。しかし、子供の失敗をいつまでもネチネチと繰り返し、なじることで、子供は健全な成長の機会を失います。失敗をすることが恐ろしくなり、子供が将来に向けてのチャレンジができなくなります。常に毒親の顔色ばかりを伺って行動するようになり、子供の「自分で判断する能力」「新しいことにチャレンジする精神」を奪います。

舌打ちをしたり、無視をしたりする

毒親が子供に対して舌打ちをしたり、無視をするのはモラルハラスメントになります。小さな子供にとって親という存在は自身の生存がかかった存在であり、その存在から無視をされ続けると、基本的な信頼という情緒の発育に悪影響があります。また、舌打ちなど子供に恐怖や不安感を与えるような行動もモラルハラスメントになります。

イライラの八つ当たりをする

イライラすることは誰にでもあります。そして、ついうっかり八つ当たりをしてしまったということは誰にでもあることです。しかし、それが常態化し、親よりも弱い立場である子供に対して、毒親自身のイライラのはけ口にするのはモラルハラスメントです。幼少期からこのような八つ当たりが続くと、子供は八つ当たりをされることに慣れてしまい、自分自身の尊厳を傷つけられます。

他人のいるところでバカにする

子供であってもひとりの人間であり、子供同士での社会コミュニティは存在しますし、子供なりに社会と関わっています。親が子供をひとりの人間として尊重せず、他人のいる前で(子供の友達、先生、親戚、近所の人なども含みます)バカにするような言動や行動は、毒親に悪意があろうがなかろうがモラルハラスメントになります。

物に当たる

直接的に暴力を振るわなくても、物を破壊したり投げたりすることは、子供に対して脅したり威嚇しているのと同じです。これは当然モラルハラスメントです。家庭内にこのような暴力が起こると、子供は安全地帯を無くし、情緒に重大な悪影響を及ぼします。

責任転嫁し、子供のせいにする

子供自身の失敗や悪さによって引き起こされたことではなく、毒親自身が思いどおりに行かなかったフラストレーションを子供のせいにする言動「お前がのろのろしているから時間に遅れた」や、まったく子供に関係ないこと「今日仕事でうまくいかなかったのは、昨夜お前が自分をイライラさせたからだ」などといって責任転嫁するのは重大なモラルハラスメントです。

自分の非を認めない

上記同様、毒親は自分自身のことを冷静に振り返り、必要なら反省するということができないので、自分自身の非を正しく認め、次の成長につなげていくという健全なサイクルが持てないでいます。そして、子供に対してもまったく非を認めず、場合によっては子供に責任転嫁するので、子供に敗北感や無力感を植えつけます。

子供のプライバシーを侵す

子供は親の所有物ではありません。よって、まだ成人していない子供であっても基本的なプライバシーは守られるべきであり、子供の持ち物や日記、私信の手紙を断りなく見る、部屋に無断で入るというのは望ましい行動ではありません。

しかし、親は当然、子供の安全を守る義務があるので、子供に良くない付き合いがあるような疑惑があったり、安全面で心配なことがあるのでれば、まず勝手に携帯電話や持ち物を探る前に、子供との会話を適切に持つようにしたほうがいいです。子供の携帯電話を断りなく閲覧したり、部屋を探るのは状況が緊急の時に限られた親の義務であり、日常的に行うべきではありません。

子供に罪悪感を抱かせるよう仕向ける

子供に罪悪感を与えて、自分の言うことを聞かせようとするのはマインドコントロールであり、モラルハラスメントです。親と子供という、絶対的な上下の関係性を利用し、親の幸せを決めるのは子供であると、暗にすり込みます。すると、子供は親自身がイライラしているのは自分のせいだと思うようになり、すべて親の機嫌を取るような言動や行動となります。毒親はこれを無意識に行います。当然、重大なモラルハラスメントです。

子供に無関心

子供の健康状態、発育状態など、子供への無関心はモラルハラスメントです。もし、基本的な衣食住にも無関心であればそれは育児放棄(ネグレクト)になり、重大な虐待になります。

子供に嘘をつき混乱させる

親が抱えているすべてのことを子供に話す必要は当然なく、状況に応じて子供にどこまでの話をするかは親それぞれの判断に任されます。しかし、子供との信頼関係を揺るがすような嘘をつき混乱させることが常態化しているのであればモラルハラスメントです。子供と遊びに行く約束をしていたのに、親の勝手な都合でキャンセルし悪びれず、子供を落胆させつづけるのもこれにあたります。子供は「嘘をつかれた」という気持ちになります。アルコール依存症の毒親では、このような状況がよく見られます。

子供に対して人権を否定するような言動をする

お前なんか産まなければよかった、お前は堕ろそうと思っていたなど、子供の存在そのものを脅かし否定するような言動はモラルハラスメントですし、虐待にもなります。それ以外に、お前は何をやってもダメた、お前は何もできない、など極論を用いて相手の人格を全否定するような言動もモラルハラスメントになります。

他者や他の兄弟との比較、差別をする

子供と他者を比較して、評価をし続けるのは子供の健全な心の成長に置いて、大きな影響を与えます。また、比較することで常に人間関係には優越があるものだという認識をせざるをえなくなり、条件付きで自分の尊厳を保つような歪みを与えます。

モラルハラスメントの恐ろしさは、被害者が気づかないこと

上記のようなモラルハラスメントは、明確な線引きはないので判断が難しいことがあるかもしれませんが、子供が親の顔色を常に伺っているような関係は、モラルハラスメントの可能性が高いと思います。

子供が親の顔色を常にうかがってビクビクしだすと、それはすでにマインドコントロールされている状態で、冷静に考えることが難しくなります。そして、さらに外傷がないので、学校や地域のコミュニティでも発見しづらくなります。

もし、自分の親からモラルハラスメントを受けているのではないか?と気づいている人、過去のモラルハラスメントで大人になっても生きづらいを感じている人は、適切なエスケープと癒しが必要です。






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