11.02.2018

毒親持ちが言われる「人のせいにするな」は危険なアドバイス

毒親という言葉が世の中に知られるようになったのはここ数年なのかもしれません。
この言葉の出現、そしてそれまでの生きづらさ、不安症などの原因が親との関係にあるということがわかり、救われた人もいるのかもしれません。わたしはそのひとりです。




毒親、アダルトチルドレン、発達障害、境界性パーソナリティ障害に関する書籍も多く出版されるようになりました。そういった時代の流れの中で、ダヴィンチで紹介されていた一冊の本があります。
ダヴィンチニュース - 独立できない依存的な人ほど親を「毒親」と批判する? 精神科医が「毒親論」に終止符を打つ!


この本を見た時に、これは毒親の問題をある程度乗り越えて、次の展開に移行しつつある人が読めば効果はあるが、毒親との影響が濃く深い闇でもがいている人には向いていない、と感じました。下手をすると、追い込んでしまいかねないとも感じました。

特に子供をコントロールしようとする親達は、言葉巧みに「お母さんのために」「あなたは間違っている」というようなことを言い子供の本心を否定します。これが、物心つかない幼少期から、多感な青春期、そして成人してからもずっと続くのです。

しかし、子供の本心は成長過程のどこかの時点で反抗するようになります。息苦しさを感じるようになります。もちろん、多少の反論を親にします。しかしながら毒親というのは子供が自分のコントロールから外れるという危機があると、なりふり構わず子供に暴言、侮辱の言葉を浴びせ子供からの意見をシャットダウンします。子供が正論を言うと、話をすり替えます。このような環境で育つと、不安症、緊張感が生まれ重大な愛着障害を引き起こしやすくなります。暴力、ネグレクト(育児放棄)があるなら生命の危機さえ何もできない子供に降りかかるのです。

これでも「親のせいにするな」と言えるのでしょうか?

癒しが進んでいけば、いつかのタイミングで、自分の人生は自分で選んで作っていいんだということを理解します。見方を変えると、自分の責任で選択をするということ、要するに誰のせいでもないよということになるのではないかと思うのです。

この気づきに行き着くまでには、親への憎悪、悲しみ、落胆など、蠢く感情にもがくことになります。その時に、それは人のせいにしている、という意見は的外れだと思うのです。

巷には色々な書籍が出版されていますが、その時の癒しのレベルに合わせた本を選びとって助けにしていくことが大切です。



トラウマのケアには段階があります



毒親に傷つけられた心を癒すためには、その人がどのぐらいの傷を負っていて、生活や考え方に問題をきたしているかによってアプローチの仕方が違います。にも関わらず、軽い知識で「こうしたらいい」「こうしたら治る」などと言う人がいますが、これは危険です。特に毒親の問題について深い思いやりと知識がない人のアドバイスは、本人に一切の悪意はなくても、人を逆に苦しめてしまうこともあります。良かれと思って言われたアドバイスを鵜呑みにしないように注意しましょう。

思っているより深い治療が必要なケースも


「人のせいにするな」と言われて「そうだな」と思う時も実際にはあります。自分は我慢が足りないんだ、そんな風に思うのは危険です。毒親に育てられた人の多くは自分で自分を責めるという行為が日常化し、自分を責めることですべてを解決しようします。これは最もよくない方法で、しかも事態は解決しません。

自分は大丈夫、傷ついてなんかいない、と自分で自分を偽って平気なふりをします。すると、問題はどんどん大きくなって、本人たちが認識しているよりもかなり深く傷ついていつ場合が多いのです。









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