12.03.2018

モラハラへの対処 加害者は自覚できるのか?

モラハラというのは本当に日常の隅々まで入り込んで、人の心を蝕んでいるなあと最近特に思うのですが、では、自分がまったくモラハラをしていないかと言い張れるかというと、それは実際よくよく自分の行動を振り返ってみないとわかりません。

わたしも仕事上で何かうまくいかないことがあると、ついつい上司のせいにしたりすることがごく稀ににあります。しかし、いわゆるモラハラの特徴である、一切の非を認めなかったり、言葉攻めにして相手を追い詰めたり、いきなり相手の存在を無視したりすることは無いなあと思います。


モラハラ加害者は本当に自覚がないのか

はい。ほとんどのケースでモラハラ加害者は自覚がないです。これは、自己愛性人格障害と同じで自分からすすんで治療を受けに来ることはほとんどありません。これは、自分で気が付いて進んで治療しようという人は、そもそもモラハラ常習犯にはならないのではないかと思うのです。

何か別のきっかけで気づくことはある

離婚がキッカケで鬱になり、カウンセリングを受けたところ自分がモラハラをしていたのではないかということに気づく場合が少ないですけどあります。あるいは、仕事がうまくいかなくて情緒不安定になり、心療内科や心理カウンセリングを訪れたところ、自分の行動が周りの人たちを遠ざからせいたということ気づいた、というケースもあります。

このように「自分がモラルハラスメント加害者です」とはっきりと自覚した上で治療にくるのは非常に少ないケースですが、別の問題が自分の行動を振り返るトリガーになり、モラルハラスメントをしていたことを自覚するようなケースはあるようです。

モラハラは改善できるのか?

本人が気づけは改善すると私は思っています。根気強く治療が必要とは思いますが、改善できると思います。まず、モラハラというものが何なのか、もっと一般的に広まる必要があると思いますし、自分だってモラハラに近い行動をとってしまう可能性があるのだということを自覚したほうがいいと思うのです。(これはパワハラやセクハラも同じですね) 

気づいた時点で半分治療は終わっている

これはモラルハラスメントに限らず、多くのメンタルの問題に言われていることです。不安障害、愛着障害、アダルトチルドレンなど、「自分で自覚する」ということが治療や普段よりよく生活していく点についていかに重要かということです。モラルハラスメントについては、本人が大きな心の問題を抱えているのです。つまり、モラルハラスメントの治療をしていく時に、かならずその人の過去の経験を探っていくことになります。これには、腕の立つカウンセラーや精神科医が治療する必要があります。

本人も止められない言動と行動

つい感情的になった時に、うっかり言ってしまった一言で相手を傷つけてしまったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか?頭に血がのぼることは誰にでもありますし、つい心にも思ってなかった一言が出てしまった、あるいは、ついつい心とは裏腹な態度をとってしまった・・・。こういったことは(もちろん無いに越したことはありませんが)誰にでもありますし、ゼロにするというのは難しいのでは無いかと思うのです。

モラハラの常習者というのは、常にこのような「頭に血が上った状態」「まわりのことが考えられない状態」なのではないかなと思うのです。何かちょっとしたキッカケで、火がつくと本人も止められない、自分で問題を見つめることが困難だから周りにいる人のせいにする、そうする以外の方法がない。また、相手がどう思うかということを少しでも想像することができないほど、本人の頭の中は焦りや不安が渦巻き情緒不安定の状態です。このような状態で、まともに他者と関わることは不可能です。本人ですら、この状況がまずいということがわかっていません。

モラハラ常習犯に振り回される必要はない

このようにモラハラをする人には、そうゆう行動をするだけの心の乾き、問題を抱えていることがわかります。わたしは、このように相手を思うときについ同情してしまう癖があるのです。それは毒親に対しても同じでした。この人の言動や行動はむかつくけれど、きっとこの人にも事情があるんだ…。このように思うことで、相手を恨む気持ちが少し和らいだりすることもありました。それは、それでいいのかもしれません。しかし、相手の言動や行動が深く自分の心に突き刺さり、傷をつくるのも一方で事実なのです。

相手には、モラルハラスメントする事情があるのだなと理解し、相手の挑発に乗らないのはとても重要なことです。しかし、だからといって同情し、相手に振り回される必要もありませんし、それは絶対にあなたの為にはなりません。ですから、モラハラ常習犯を直そうとせずに、距離を置くことが結局はお互いにとって最善の方法になるのだと思っています。

→ モラルハラスメントとは






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