3.10.2019

自己愛性人格障害の母親に苦しむ人々へ

母親からの束縛や、放棄、異常なまでの問い詰めや支配に苦しんでいる人へ。なぜ、母親の存在がこんなにも重いのだろうか、自分の母親だけなのだろうか。

Ralfが自分の生きづらさに限界を感じていた時に、ふらっと立ち寄った本屋で見つけたがあまりにも衝撃的で、毒親問題を乗り越えるための様々な行動を加速させた本を紹介します。以前「毒になる親」という本を紹介しましたが、両親のうち特に母親との関係で悩んでいる人は、こちらの本も合わせて読むと理解が深まると思います。


毒になる母 自己愛マザーに苦しむ子供 (講談社+α文庫)


著者のキャリル・マクブライドさんは、ご自身も毒親マザーに苦しみ、心理療法士として長年調査された経歴があります。心理療法士の仕事を続けているうちに、自信のもてない自分の人生にかけているものは何か、長年探した結果、それは手に入れられなかった慈しみと共感に満ちた母親の愛情であったとわかったそうです。

この本は、自分たちを苦しめた(苦しめている)母親が一体なんなのかということを心理学の視点で分類し解き明かしながら、回復への道筋を教える本です。自己愛の母親を責める本ではありません。もちろん、癒しのプロセスの中に相手を責めるという経過があってもいいし、それはある種通らなければいけないのかもしれません。しかし、最終的にはどんなに時間がかかっても、わたしたちは癒され、救われるのです。

この本では、自己愛の強い母親とその娘に多くみられる10個の問題があると指摘しています。その10個を以下に紹介します。自分にあてはまるものが多ければ、ぜひこの本を手にとってみてください。

自己愛マザーの10本の毒針

①母親の愛情や注目、承認を得ようとどれほど努力しても、母親を喜ばせられない。

②あなたがどう思い、どう感じるかよりも、あなたが母親にどう見えるかが重要だ。

③娘に嫉妬する

④娘が健全な方法で表現することをよく思わない。それが母親自身の欲求と相入れないか、母親の立場や存在を脅かす時にその傾向が強くなる。

⑤いつも母親のことばかりだ。

⑥人に共感できない。

⑦自分の感情に向き合えない

⑧批判的で手厳しい判断をくだす

⑨あなたを娘ではなく友達のように扱う

⑩娘との間に境界線がなくプライバシーもない

自分にも自己愛傾向がないか?

まさかと思うかもしれませんが、自己愛マザーに育てられると、自分も気づかない間に自己愛傾向が伝染するということがあります。子供の頃から、母親の価値観がほとんどの世界を占めている環境で育ったわけですから、無理もありません。

この本の最後にも「本書を読むうちに、自分の自己愛傾向に気がつき、その問題に取り組み必要を感じる人がいるかもしれない」とあります。自分の自己愛を探るリストも本の最後についています。

あなたの生きづらさを助ける本になるかも

この本を読むだけですべてが解決するとは言いませんが、少なくとも毒親、とくに自己愛の強い母親で苦しんでいる人にはとても大きな出会いになると思います。本には、どのようにして母親の毒針を抜いていくのかというエクササイズも紹介されています。私がこの本を読んだばかりの頃は、このエクササイズがバカバカしく思えてあまり真剣に読んでいませんでした。けれども、自分ができることをたったひとつでもいいので実践してみたりしました。その時はエクササイズの劇的な変化を感じませんでしたが、今振り返ると、エクササイズはとても有効で、今となってはそれらがとても重要なことなのだということがわかります。

図書館や古本屋に置いてあることもありますので、ぜひ手にとってみてください。







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